インターンは見た!〜 kiyotoの視察記 vol. 2 現場視察と国内業務との関わり編〜
◆ フィールド視察へ
みなさん、こんにちは。カンボジア事務所インターンの名倉です。
インターンが国内NGO職員の新しい働き方に迫る、kiyotoの視察記 vol. 2では、プレアプット村のフィールド視察の様子をレポートします。
▼ 本シリーズの連載目的、及びvol.1 市場調査編はこちらから ▼
https://www.terra-r.jp/blog/20181106.html
シェムリアップから約4時間。タクシーに揺られてやってきたのは事業対象地の一つ、プレアプット村。
この村を訪れたのは、2017年度の年次報告書の表紙になったソッピアーさんに、小田がデザインを手がけた報告書を、直接お渡しするためです。

【 2017年度版・年次報告書 】
お家を尋ねると、ちょうど山からマッシュルームを採って戻ってきたところ。今日も眩しい笑顔で迎えてくれました。
無事に報告書を手渡して、パシャリ。報告書をはじめ、テラ・ルネッサンスの刊行物すべてのデザインを手がけて下さっている小田さん。
「こんな風に直接渡すのはじめてだよ〜〜嬉しい。」
ソッピアーさんは少し照れくさそうに、でも嬉しそうに受け取ってくださいました。

ソッピアーさんは、昨年度から家畜銀行のヤギを借り、順調に育てて下さっています。あと少しでヤギを数頭、売りに出せそうです。ヤギは重さにもよりますが、一頭約400ドルで売ることができ、大きな収入源となります。
「結構なわがままで、草が濡れてると食べてくれないんだよ!」と、同行したサリー先生(※テラ・ルネッサンスのパートナー団体の農業作業員。家畜の病気予防から処置まで対応してくれる)に訴えていました。

【 僕たち立派に育ってきたぞ 】
小田さんはデザインの際に、次の3つの視点を大切にしているそうです。
一つは、ご支援を下さる方の視点。
年次報告書であれば、ご支援を下さる方が報告書を手にしたときに、自分の支援で、どんな変化が生まれたのかが、ぱっと伝わったり、感じられたりするような写真を選んでいるそう。嬉しそうな笑みを浮かべた写真は、その一つの例です。
もうひとつは、ご自身のデザインのこだわり。
最後に、組織としての視点です。組織として大事にしていることが伝わるように、デザインをしています。
そして、現場の視察はこの組織としての視点を培うのにとても有効です。当会が行っている長期的な自立支援の大切さは、以前カンボジアの現場を視察してみて、腹落ちしたのだといいます。

実際に現場を訪れてみると、事業の対象者となっている方が何に囲まれ、どんな場所でどんな生活をし、テラ・ルネッサンスの事業はその方の生活にどんな風に入りこんでいるか、その方がテラ・ルネッサンス職員と話す際にどんな表情をするのか、という写真の「外」にある状況が見えてきます。
例えば、子どもの写真は惹きつけられやすいため、報告書のデザインとしても多用しがちになります。
しかし、現場で見た写真の「外」の状況を振り返ってみると、その子どもの生活や教育を支えるために行っている大人への自立支援がいかに大切であったか、当会職員がそこにどれだけ力を注いできたか、に気が付かされます。
家庭菜園を紹介しながら笑顔を見せるソッピアーさんの写真を選んだのも、当会として大切にしたいのは、長期的な視点を持った自立支援だというメッセージを込めたかったからなのだといいます。

ちなみに、プレアプット村には、元気な子供たちがいっぱいです。皆様からのご支援を頂き、基礎教育支援、給食のご支援を続けています。
持ち上げてー!と子どもたちが駆け寄ってきました。


日も暮れてきて、ハードなスケジュールの1日目もそろそろ終了です。
ワークショップ当日も、濃密な一日となりそうです。ワークショップのレポートはvol.3でお楽しみください。
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記事執筆/
アジア事務所・PRチームインターン
名倉 早都季