来月から養蜂シーズン到来…!村の大工さんの巣箱作り
【アジアレポート/2018年10月_Topic01】
今なお不発弾が残るラオスのシェンクワン県。テラ・ルネッサンスは昨年度から、ペック郡の2つの村で、養蜂の技術向上と普及を目指した"farm miel"プロジェクトを実施しています。
長い雨季を終え、10月の終わりから、そろそろ季節は乾季へと移り変わります。乾季はミツバチが蜜を集める絶好の期間。10月はこのシーズンに向けて新しい巣箱を作成しました。

昨年度は巣箱を購入し、対象世帯へ提供しましたが、今年度は村の大工さんに木材を提供して作成をお願いすることに。プロジェクトが終わっても、自分たちの力で巣箱を調達し、養蜂を継続できるようにするためです。
ポンカム村では、大工のシエンシーさんが 2箱 × 37世帯分の巣箱を作成中でした。

今回作成を依頼したのは、日本型の重箱式巣箱です。今年9月、日本の京都府綾部市にて、ラオスの養蜂専門家と2名の村人が養蜂研修に参加し、重箱式巣箱の構造やそのメリットを学びました。
伝統的な巣箱では、くり抜かれて空洞になった丸太の内部に、ミツバチが巣を作ります。しかし、この巣箱は採蜜の際に巣を一度破壊しなければならず、継続的な養蜂が難しいという課題がありました。
一方、重箱式巣箱は、はちみつの溜まる上の段から採蜜をするので、巣を破壊する必要がありません。このため、採蜜後に再度コロニー(※共同で生活するミツバチの群)を捕まえなくてもよく、養蜂する群を増やしていくことができます。
また、上の段から採蜜するので、糖度が比較的高く、混ざりもの(幼虫など)の少ない蜂蜜を得ることが可能です。


【 ラオス事務所スタッフとシエンシーさん 】
もうひとつの事業地であるムアン村では、お米の収穫で大工さんが忙しく、まだ新しい巣箱が用意できていませんでした。村の方々が話しった結果、11月の15日までに大工さんが作成可能かを確認し、もし難しければ全員で作ることになりました。
不発弾の残るこの村で、村の方が安全に、そして豊かな森を守りながら暮らしていけるように。9月の日本への研修で得た知見や、昨年度の経験も活かしながら、養蜂の技術向上支援を続けていきます。収穫の時期が、今から楽しみです。
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記事執筆/
アジア事業インターン
名倉 早都季