インターンは見た!〜 kiyotoの視察記 vol. 1 市場調査編〜
◆ 本シリーズの目的…
スオースダイ!8月末よりカンボジア事務所に派遣されているインターンの名倉です。
突然ですが、みなさんは「NGOの国内事務所職員」という言葉を聞いて、どんな仕事を思い浮かべるでしょうか。
会計、広報、ファンドレイジング、法人営業、講演の調整やロジ準備、、、
私も、テラ・ルネッサンスでインターンをさせて頂く前は、そんなところかな、と思っていました。
しかし、テラ・ルネッサンス、京都事務所には面白いお仕事をされている職員さんがいます。
当会PRマネージャーの小田です。
小田は「デザイン」という技術を武器に、国内で刊行物のデザインやファンドレイジングに関わるだけでなく、海外事業のブランディング事業にも携わっています。
そんな小田が、8月27日〜30日に、デザイン専門家としてカンボジアに派遣されました。
今回は「NGO国内事務所職員の、新しい働き方をお伝えしたい!」という思いから、出張に同行したインターンの名倉が、その様子をレポートします。
一体、デザイン専門家として、海外事業に関わるとはどういうことでしょうか。また、国内職員の海外視察はどのように国内の業務に結びついているのでしょうか。
自分の技術を武器に、国内外で働くNGO職員の仕事をお伝えし、NGO職員を進路の一選択肢として考えている方、NGOとの関わり方を模索している方の、ヒントになれば幸いです。
それでは、第4回にわたる視察記、どうぞお楽しみ下さいませ!

◆ 出張、1日目。
小田さん、おはようございます。前日の夜遅くにシェムリアップに到着し、少々お疲れ気味のご様子です。
今回の出張ミッションは、ワークショップを通じて、ハチミツが市場に並ぶイメージを参加者のみなさんに掴んで頂くこと。メインとなるワークショップは翌日ですが、初日もバリバリ動きます。

カンボジアの養蜂事業はまだ始まったばかり。「誰にどんな目的でどのように売るか」はこれから練っていく段階です。
というわけで、出張初日はカンボジアのハチミツ市場調査に出かけます。
向かう先は、主に観光客を対象としたお土産売り場。ラオスやブルンジの東洋ミツバチと異なり、カンボジア事業で提供しているハリナシミツバチは体長が小さく、収穫できるハチミツの量も限られています。家庭用に大容量で売るのは現段階では難しく、少量で質の高いハチミツを提供していく必要があります。

【 このコバエちゃんのような虫たちがハリナシミツバチなのだ! 】
初日の午前は、シェムリアップ市内のお土産屋さんを回り「どのくらいの量のハチミツがどのくらいの値段で、どのように売られているか」を調査します。
最初にやってきたのは、ラッキーモールマーケット。スーパーの他、洋服や文房具を始め、様々な店舗が入った商業施設です。
フランス人のオーナーがプロデュースしている Bodiaでは、ちょっとおしゃれなハチミツがならんでいます。瓶にタグを付けるスタイルで可愛らしいパッケージ。11.5ドルです。
小田さんはソープのデザインが気になる様子。15mlで5ドル。さすが観光客向け価格ですが、思わず買って配ってしまいたくなるようなオシャレなパッケージです。

次に、個人のハチミツ専門店「NET HONEY SALES」へ。プロの養蜂家である店主さんの作ったハチミツが、お店の壁一面に並んでいます。

5ml弱が1ドル。大きいチューブに入ったものは4ドルです。一つ一つ、色のこさが違うのも、オーガニックであるが故。
カンボジアの伝統医療ではハチミツがよく使われているらしく、はちみつを粉末状にしたものを肌に塗ったり薬として飲んでもいいんだよと教えて下さいました。店主さんが親切で、ご自身の携帯で養蜂の様子をたくさんの動画で紹介してくださいました。

3 店舗目は、Cambodia Tea Time。日本人がオーナーを務める日本人向けのお土産屋さんです。店頭ではカンボジアの伝統菓子「ノムトムムーン」を焼いており、試食を提供してくれます。大勢の日本人観光客の方がいらっしゃいました。
こちらの5ドルのハチミツには、「生はちみつ」との記載が。「生」というネーミングは日本人にウケるよねえ、とうなる小田さんです。

お次はオールドマーケットへ足を伸ばします。ハチミツはあまり売っていませんでしたが、瓶に布をターバンのようにまくスタイルのお酢を発見。こんな形もいいねという話になりました。
マーケット近くのお土産屋さんでは、ビニールのジップ袋にハチミツが入れられて、紙で簡単に説明を付してあるハチミツを発見しました。
これはコストも掛からなさそうだし、ワイルドさが感じられていいね!!!と惹きつけられています。
「お土産用に箱のパッケージがつくバージョンと、家庭用に簡易包装で売るものの二種類を用意するのもいいね」

出張一日目、午前中の市場調査はこれにて終了です。
数年後、カンボジアのハチミツは一体どんな風に市場に並ぶのでしょうか。同じ養蜂事業だからといって、ブルンジでのパッケージやマーケティングのノウハウがそのまま移転できるわけではありません。蜂の種類も、養蜂の仕方も、それによる収穫量も参加者の人数も、地域によって様々です。
市場調査を通じてイメージが膨らみ、カンボジアの魅力が詰まったハチミツはどんな風に売り出されるのだろう!と楽しみになりました。
さて、午後はフィールドのあるカムリエンに移動です。フィールド視察の様子は、vol. 2にてお伝えします。
記事執筆/
アジア事務所・PRチームインターン
名倉 早都季