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コンゴ・ブルンジ出張報告/佐賀事務所スタッフ・島

【アフリカレポート/2018年8月_Topic02】


8/11~18の間、理事・鬼丸と私、佐賀事務所スタッフ・島が、アフリカ事業地であるコンゴ民主共和国とブルンジ共和国を訪問いたしました。
私にとっては、初めてのアフリカ事業地訪問でしたので、活動の様子と共に、目にしたこと、感じたことをお伝えいたします。

【アフリカレポート/2018年8月_Topic02】

コンゴ編


日本から30時間以上かけて、コンゴ・ゴマに到着。空港にてイエローカード(黄熱病予防接種証明書)を没収されかけるというハプニングで始まったアフリカ視察。焦りと不安を抱えた私を待っていたのは、雄大なキブ湖と雑然と交差する車の群れでした。
 
いかにもアフリカらしい景色でありながら、コンゴという名前から想像していたよりも、綺麗な建物や美しい自然がそこにはありました。ゴマからキブ湖をスピードボートで縦断した場所にあるブカブ(コンゴ事務所在地)へ移動した際も同様の印象を感じました。コンゴは紛争地。だから、もっともっと荒れている街をイメージしていましたが、ゴマやブカブで暮らす人々は生き生きと生活をし、そこには私たちと何ら変わらない営みを見ました。


コンゴでの目的の1つは、事業地・カロンゲでの縫製訓練を終えた卒業生へのミシンの贈呈でした。ブカブからカロンゲへ向かう道中は、整備がされておらず、ガタガタの道でした。片道4時間、常に車が跳ね続ける状態だったので、道が完璧に整備されている日本が、いかにすごいことなのか実感しました。今回は乾季だったので、4時間で辿り着きましたが、雨季は倍の8時間かかると聞き、支援を届けるためにはその場へのインフラの度合いも重要な要素だとわかりました。

カロンゲに到着すると、ゴマやブカブとは全く異なる自然豊かな山に囲まれた村がありました。そして、その中のテラ・ルネッサンスの施設に到着すると、訓練生の子どもだちや村の子どもたちが遊んでいて、暖かい雰囲気に包まれ、テラ・ルネッサンスの施設がカロンゲという地域に溶け込んでいる印象を受けました。何もなかったこの場所に施設を作り、村の人たちとの関係を築き上げてきたのだと思うと、これは並大抵のことではなく、テラ・ルネッサンスの人間でありながら、理事長・小川をはじめとするコンゴのスタッフの地道な努力による積み重ねがあったからこそだと感じました。


そんな弊会施設内にて、訓練生の卒業式兼ミシン贈呈式が行われ、計20名にミシンを1台1台渡しました。小川、鬼丸からミシンを受け取る卒業生の表情は、本当に心からの喜びに満ち溢れていました。彼女たちは、多くがシングルマザーで、性的暴力を受けた過去を持っている人もいます。辛く悲しい過去を持ちながらでも、弊会の洋裁訓練を受け、自らの力で生きていくという強い意志を持った女性たちです。そんな彼女たちにとってミシンは、自分たちの人生を変える「一生の宝物」なのだと感じました。


コンゴでは、その他に、元子ども兵の少年にも出会い、話を聞くことができました。彼は、3年前に誘拐され、2年間武装勢力の一員として、情報収集などのさせられていました。成果がないと、3日間飲まず食わずだったこともあったとのことです。地獄のような日々を経験し、村に帰ってきても苦しい生活を強いられています。


私たちは、彼が学校で教育を受けれるように、そして家族の収入を向上させるサポートを行っています。彼は「紛争をなくすためにはどうすればいい?」という問いに対し、「みんなが豊かになればいい」と答えてくれました。当たり前の回答のようでありながら、本質的だと感じました。みんなが豊かでなることで争いの種をなくしてゆく。単純なことでありながら、大切なことです。彼の話を聴きながら、これからの支援を途絶えさせることなく、継続してきたいと強く思いました。

ブルンジ編

ブルンジ編


コンゴの視察の次は、ブルンジへ向かいました。コンゴから陸路で国境を越えたからでしょうか。コンゴで走ってきた道とは違い、きれいに整備された道があり、美しい景色、街並みがありました。コンゴも雑然としながらも生き生きとした魅力を持っていましたが、それとはまた違い、ブルンジの美しさにすぐに心を奪われてしまいました。


ブルンジでは、社会的弱者への支援の様子を視察しました。1つの地域では、養蜂、洋裁、ヘアードレッシングの技術訓練の様子を見学し、訓練を受けている人々は真剣に学んでいる姿を目にすることできました。この地域でのニーズに合った技術を提供していて、一方的な支援ではなく、その地域、そこに住む人々に寄り添った支援であることを改めて実感しました。


視察をしたもう一つの地域では、技術訓練などの支援は終了し、自立に向けたサポート期間に移行していました。その地域では、窯業、養蜂、一次加工技術訓練が行われていました。養蜂で取れた蜂蜜を見せていただいたり、実際の窯を見学させていただきました。特に窯は、想像以上に大きさと立派さを兼ね備え、作られている製品の質の高さに驚かされました。

 
彼らの話を聴きながら感じたこと、それは、サポート期間になっても、自ら積極的に向上しようと考えていることでした。質の高いものを作るためには、より多く利益をだすためにはどうすればいいか、人任せではなく、自分の力でそれを達成しようとしていました。支援の目指す形として、とても大切なことです。もちろん、私たちは彼らがより自立した環境を目指すために、これからもできる限りのサポートをしていきます。

最後に

最後に


上で述べたこと以外にも、支援先でたくさんの人たちに会ってきました。一概に言えることは、みんな前を向いているということです。どんなに辛い過去があっても自分の力で生きようとしていることを強く強く実感しました。テラ・ルネッサンスが大切にしている言葉である「ひとり一人に未来をつくる力がある」を体現している人たちがそこにいました。


そして、最後にお伝えしたいのが、理事長・小川やブルンジ事務所の古岡を含めた現地スタッフのすごさです。何もないところから関係を作り、現地の人々のために日々奮闘する姿を見ることができたのは、日本にいるスタッフとして大きな経験でした。仲間が海外であれだけ頑張っている姿を見たら、自分ができることをもっともっと精一杯しなければと思ました。私は支援の様子、前を向いて生きる現地の人々、そして、自分の仲間のこと、日本で、佐賀で伝えたいと思います。そして、また彼らに会いに行きます!


文責
佐賀事務所スタッフ
島 彰宏

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