地雷被害を経て、10年間の歩み
【夏季募金キャンペーン2018 特別企画 かけがえのない暮らし vol.4】
カンボジア、バッタンバン州に住むネンさんの夫であるパン・プンさんは農地を求めて地雷原に入り、地雷事故に遭いました。なぜ地雷原に農地を求めてしまったのか…。
貧困層の人々は、農作物を栽培して生きていくための土地を得るために、誰も入ろうとしない地雷原で農地を得ようとします。ネンさん一家もそのような家族の一つでした。生き延びるためには他に方法がありませんでした。
2003年、夫のパン・プンさんは木を切っているときに地雷の被害に遭い片足を失いました。4番目の子どもが生まれた約2ヶ月後のことでした。ネンさんは子どもの世話に手をとられ、夫のプンさんは長時間の農作業をすることはできません。
借りていた家は家賃を払えず滞納してしまっていました。真夜中に大家さんから家を追い出されてしまいました。小さい子どもを抱え、一家はどのようにして生きていけば良いのか。

そんなネンさん一家をテラ・ルネッサンスは10年前から支援しています。具体的には豚の飼育、コメなどの食料、モーターバイク、土地、牛の飼育に関して支援を行っています。また、彼女の娘さんには裁縫技術訓練を行っています。
これらの支援を経て、いまの暮らしはどうなっているのでしょうか。現在、畑仕事をしながら家庭菜園を続けているというネンさんが暮らしの様子を話してくれました。
野菜を育てていることに関して、彼女の家では長いインゲンが育ち、毎日収獲して食べているそうです。葉物の野菜も育っています。いまはトウモロコシのシーズンなのでたくさんのトウモロコシを植えているといいます。
子どもの世話をしながらも野菜を育てているネンさん、新しい仕事があればしてみたいし養鶏もしてみたいと言っています。新しいことに興味をもち、挑戦しようとする彼女の意気込みがうかがえました。

現在、夫と子どもたち9人と暮らしているネンさん。以前は孤児院に預けられていた兄弟も一緒に暮らせるようになりました。6番目の男の子は小学校に通い始めました。たとえ今は貧しくても愛情あふれる家族、きっと困難を乗り越えていくことができます。
毎日の暮らしを前向きに生き、一家はやっとスタートラインに立つことができました。自立への歩みを支えていくためにはまだまだ皆さまからの支援が必要です。テラ・ルネッサンスは現在夏季募金キャンペーン中です。テラ・ルネッサンスの夏季募金にご参加・ご協力、心よりお願い申し上げます。
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