元インターンが語るカンボジアの「暮らし」、そして「支援」
【夏季募金キャンペーン2018 特別企画 テラルネのある暮らし vol.2】
みなさま、こんにちは!今回は、2018年夏季募金特別企画として、テラ・ルネッサンスにインターンとして関わった経験を持ち、現在は大学の地域連携センターでコーディネーターとして活躍される佐野 光平さんにお話をお伺いしました!
佐野さんは、テラ・ルネッサンスと関わっていただいた時間も長く、その間には、カンボジア事業にも現地のインターンとして共に活動してくれました。カンボジアでは、弊会が大切にする「自立と自治」を深く考え、実践しようとしてくれた佐野さん。そんな佐野さんだから、お伝えできるものがあります。本日は佐野さんにカンボジアが大切にする「暮らし」や支援のあり方について、お話いただきます!
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皆さん、こんにちは。
元インターンの佐野と申します。本日は、私がカンボジアでの経験を通して感じたカンボジアでの「暮らし」や「支援」というものについて、お話いたします。

カンボジアの「暮らし」や自立支援について
支援現場をみて率直に思うことは、アジア後進国を支援するとき、単になにかを与えるだけではなく、彼らと共に学び、活かすことを私たち自身が真剣に考えるべき時代になったということです。
カンボジアの「暮らし」や自立支援の哲学に舌を巻いたのは、将来、この土地が開発によって森林を切り拓く時、再び、人びとが地雷や不発弾と接触するリスクをあらかじめ折り込み、村自身で予防する支援策が練られていることです。
彼らに内在する”チカラ”や”アイデンティティ”を最大限に活かし、自然を敬うマインドを保つことで、積極的な予防をシステム化することに努めています。村人たちは仏教の教えを中心に、山や川、土に宿る精霊に対し謙虚な姿勢で風習や規範を持つことで生活を維持しているようです。
そこに暮らす人たちと触れ合うことで、どこか懐かしく、肝心なことを忘れ去っているような感覚を持ちました。暮らしを守るためには歴史と伝統から学べますし、ビジネスをするなら、さらに時代と未来を読み解く必要があるように思います。

「暮らし」という観点で考えるカンボジア支援
今、カンボジアの首都プノンペンでは、経済発展がめまぐるしく、高度経済成長を想起します。一方で、テラ・ルネッサンスが支援するバッタンバンは米どころとして「地方」の役割を担い、概ね、郡や村の単位で経済圏や生活圏が成立します。都市には都市の「最適」、地方には地方の「最適」があります。何よりもアジア事業では地雷や不発弾の除去と被害予防という独自の条件にアプローチした発展のベストミックスが不可欠です。
バッタンバンの人びとが「自立と自治」を大切にしながら暮らしを支え、初期投資のみで半永久的に野菜や家畜が増え続ける家庭菜園や動物銀行のシステムをつくる試みは、短期的な数値に現れる以上のポテンシャルやその他の地域での汎用性を秘めています。何世代も先のことまでを見据えた持続可能な地域社会があります。
今まさにタイや都市圏へ出稼ぎに行き、「単身赴任」や「核家族化」が進み、かつての家制度やコミュニティの支え合いが崩壊する過渡期にあります。出稼ぎに行くことは、カンボジアの村びとにとっても大きな助けになります。ただし、これは、あくまでも都市の最適であり、バランス崩せば一極依存を生み、暮らしの歯車は大きく崩れていくことになります。
多忙な日々によって、孤独を感じ、「暮らし」を大切にしたいと願う私たちジャパニーズだからこそ、古き良き農村コミュニティで家族や隣人が支えあう営みの美しさに心打たれるのかも知れません。

現在の地域の暮らしを支える仕事とテラルネの事業との共通点やつながり
東南アジアの経済後進国から生活や文化の先進性を感じた私は、自分にできる役割を考えて地方都市に移住しました。今は、地方大学の地域連携センターで社会実装を念頭においたシンクタンクのコーディネーターをしています。
アジア諸国に滞在して思うことは、何を以って「進んでいる」とするかを再定義できる贅沢な時代になったということです。時代とともにあらゆる前提が変わり、これまでの当たり前が崩壊した不確かな時代にあります。それぞれが知恵や強みを持ち寄り、手を取り合うことで社会課題にできる役割は何かを真剣に追求する課題解決型ビジネスに需要や手応えを得る時代になりました。
例えば、廃藩置県以前の生活経済圏に着目し、県域を超えて、民間企業同士が戦略的に集団となり、ビジネスが手を取り合うことで地域公共交通システムの再構築を目指しています。地域独自の強みやあるものから最適を見つけ、ビジネスの力で、観光と住居をミックスさせた面的なルートの開発を検討します。
実際の社会実装までを視野に入れた調査や分析、提案などをサポートしています。バッタンバンで調査した信頼を重視し、先の子孫のことを考えた小さな経済圏や郡や村落単位の生活圏の捉え方が活きています。

暮らしを支える寄附の大切さ
アジアから1年ぶりに帰国して、素直に「世知辛いな」と感じます。厳しい競争社会を生き抜くためには必要なことですが、最初から正解がないことを念頭にリセットすると、他人に寛容になったり、これまでにない価値に気づけます。ヒトは不完全だからこそ、お互いに支え合えるのです。
法律や制度はつくれずとも、社会を動かしていくのは、母数が多い私たち市民です。綺麗事などではなく、自助、共助によってわかちあいを本気で手繰り寄せることのできる時代です。
テラ・ルネッサンスが支援するアジアの「古き良き故郷」を応援することで、わかちあえる優しい社会づくりを加速させるムーブメントを起こしましょう。ただ、純粋にワクワクと寄附や応援で彼らの暮らしを見守る中で、生活を豊かにするヒントを、村びとが教えてくれると思います。
長くなりましたが、これにて、私、佐野からの話は終わりとさせていただきます。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
現在夏季募金キャンペーン中!!
佐野さん、ありがとうございました。カンボジアの「暮らし」は私たちの生活とまったく違うものではなく、どこかで共通するところがあり、そして、その「暮らし」から日本に住む私たちが学べるところがあると感じています。
現在、テラ・ルネッサンスは夏季募金キャンペーン2018を実施中です。8/31までに、あと4,000,000円が必要です(8/1時点)。
カンボジアを含むアジア、アフリカの穏やかな暮らしを取り戻すために、今後も活動を続けてまいります。様々なつながりを感じられる「寄付」。どうぞご協力をお願いいたします。
▼ 特設ページはこちら!▼
http://www.terra-r.jp/kakibokin2018.html
< 例えば、あなたのご支援でこんなことができます >
◆ 3,000円の寄付で、
ラオスでクラスター爆弾を撤去している技術者の給料3日分を支援することができます。
◆ 5,000円の寄付で、
ウガンダで元子ども兵の洋裁や木工大工などの職業訓練2週間分を支援できます
◆ 10,000円の寄付で、
カンボジアで家庭菜園用の野菜の種や苗木2種類200家族分を支援できます。
◆ 30,000円の寄付で、
今後で元子ども兵2名が洋裁のビジネスに必要なミシン等の道具一式を支援できます。
※ 寄付は税控除の対象になります。